Manato Mizuno
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Article · 2026 / 08 / 27

Shopifyは「作って終わり」じゃない ―― テーマの中身を見て感じたこと

新しくD2Cブランド様の支援に入ることになり、まずは今のサイトの状態を把握しようと、Shopifyの管理画面からテーマを開いてみました。見た目は、正直きれいなサイトでした。デザインにも手が入っていて、ぱっと見て「よくできている綺麗なサイトだな」と感じたのを覚えています。

ただ、テーマ(テンプレート)を触ろうとした瞬間、その印象は少し変わりました。
ほぼほぼ、ハードコーディングだったのです。

少しの編集でもコードを触っていた話

具体的には、新商品を登録してもTOPページに自動で表示されない、商品ページのテキストを変更したい場合もコーディングされているカスタムliquidを編集する必要がある、という状態でした。

商品が動的に表示される仕組みや、ノーコードで直感的に編集できる状態になっておらず、何か変更があるたびにコードを触って反映させる必要があったのだと思います。テーマファイルを開くと、カスタムliquidがかなりの量、並んでいました。

なぜこうなったのかは分かりませんが、見た目を作り込むことに力が注がれていて、その後の運用まではあまり想定されていなかったのかもしれません。

正直、最初にこの状態を見たときは、少し驚きました。デザインの完成度と、コードの中身の状態に、思っていた以上の差があったからです。

見た目のきれいさと、運用のしやすさは別軸

この経験を通して感じたのは、「きれいに作ること」と「運用しやすく作ること」は、別の技術なのだ、ということです。

デザインの完成度は、公開されたサイトを見ればすぐに分かります。一方で、運用のしやすさは、実際に日々の業務でそのサイトを触ってみないと分からない部分です。

新商品を出す、キャンペーンページを差し替える、季節ごとにバナーを入れ替える。そうした日常的な作業のたびに、毎回エンジニアの手を借りなければならないのだとしたら、どれだけ見た目がきれいでも、事業のスピード感には合わなくなってくる気がしています。

完成度の高いデザインが、必ずしも持続可能な運用とセットになっているわけではない。

このブランド様のケースを通じて、あらためてそう感じました。

ハードコードから、ノーコードで触れる仕組みへ

この状態にどう対応するか、実はいくつかの選択肢がありました。

一つは、最小限の修正にとどめて、まずは見た目を変えずに動かし続けるというやり方です。もう一つは、テーマ自体を作り直し、運用者がコードを書かなくても触れる仕組みに変える、というやり方です。

今回は、後者を選びました。ハードコードされていた部分を、Shopifyのカスタムセクションとして再構築し、新商品の表示や差し替えを、運用担当の方が管理画面上の操作だけで完結できるようにしました。

判断の軸にしたのは、「その後、誰がこのサイトを運用していくのか」という点です。私が構築に関わっている間はそれでよくても、その先は運用担当の方がご自身で回していくことになります。コーディングができる方が社内にいるとは限りませんし、いたとしても、そのたびに工数を割いてもらうのは現実的ではないだろうと考えました。

もちろん、すべてをノーコード化すればいいというわけではなく、複雑な仕様変更まで管理画面だけで完結させようとすると、逆に無理が出ることもあります。今回は、日常的に触る頻度の高い部分(新商品の表示など)を優先的にノーコード化する、というバランスで進めました。

Shopifyの良さを活かすとは、どういうことか

Shopifyは、もともと柔軟にカスタムできながらも、運用のしやすさを両立できるプラットフォームだと私は思っています。ただ、その良さは、実装のされ方次第で薄れてしまうのかもしれません。

どれだけ柔軟な機能が用意されていても、テーマの中身がハードコードだらけであれば、結局は毎回エンジニアの手が必要になってしまいます。それでは、Shopifyを選んだ意味の一部が失われてしまうような気もしています。

だからこそ、構築の時点で「誰が、どう運用していくのか」を見据えておくことが、地味ではあるものの、後々のスピード感や事業の持続性に効いてくるのではないかと感じています。

運用を前提にした構築・改修という考え方

最初に作ったものを、まったく手を加えずにずっと使い続けられるかというと、そういうわけではないと思います。事業のフェーズが変われば、必要な機能も変わってきますし、見直しが必要になる場面は、どこかで必ず出てくるはずです。

ただ、その見直しのたびに、毎回大きく作り直さなければならないのか、それとも運用担当の方が日々の判断で少しずつ手を加えていけるのか。この違いは、事業のスピード感に、思っている以上に影響してくる気がしています。

コーディングができなくても、日々の運用が回っていけるように。実際に運用の現場に立ってきた経験をもとに、持続的に運用できる構築・改修のかたちを、事業者様と一緒に考えています。

もし今、運用しているサイトのテーマの中身を、しばらく開いていないという方がいらっしゃれば、一度見てみるのもいいかもしれません。ハードコードが悪いというより、それが「誰にとって運用しやすいか」という視点で選ばれたものかどうか、を確認してみる、というくらいの気持ちで。

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